有度山麓9条の会ニュース
第23号(2024/4/3)

 

9条の会マーク

3・1ビキニデー 久保山愛吉氏墓前祭への取り組み
 ビキニ被災70年墓前祭60年を迎えて
 

静岡県宗教者平和懇談会 事務局 小野和典

⑴ビキニ水爆実験被災の史実

次期戦闘機

①1954年3月1日 南太平洋 マーシャル諸島 ビキニ環礁で米国が水爆投下実験(名称〝ブラボー〟)広島投下原爆の1000倍。
被爆…ビキニ島民、操業中の日本漁船約1000隻(高知・静岡等全国各地)。
その中の一隻…焼津漁協 第五福龍丸 乗組員23名、その内最年長 無線長久保山愛吉さん(40歳)3月1日被爆→焼津寄港までの生々しい証言の数々→3月14日寄港。東大附属病院へ→9月23日亡くなる。
 愛吉さんの遺言…「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」 すゞ夫人の証言…「この地球上から一発残らず核兵器を亡くしてほしい」
*日米両政府の『ビキニ事件』を幕引きを巡っての補償問題の中での数々の誹謗・中傷…すゞさん、久保山家のいばらの道。
②ビキニ被災を機に、全国全世界で原水爆禁止運動が起こる。
◉署名運動…全国で3千万筆にも! 世界では7億!
◉1955原水爆禁止世界大会(広島)(長崎)日本母親大会
◉1957原水爆禁止宗教者懇談会発足
◉1961第1回世界宗教者平和会議開催 「京都宣言」
◉1962日本宗教者平和協議会(日本宗平協)結成

⑵核兵器廃絶を願い、愛吉さんの墓前祭を勤めるにあたり

◉1962~1963原水爆禁止運動に亀裂《部分的核実験停止条約をめぐり》
◉〝分裂の策動〟の中で墓前祭が行われようとした(政治的な圧力)


★宗教者の立場から日本宗平協が主張したこと
核兵器廃絶・平和を願う宗教者の立場から、法要を厳粛に勤めることが、久保山愛吉さんの遺志を伝えていくこと


数々の妨害をはねのけて、墓前祭を予定通り粛々と執行できた
焼津駅から10000人が墓参行進。静かに黙々と弘徳院境内へ。弘徳院住職の読経、すゞさんの参加。第一回の墓前祭が多くの参加者の賛同と協力により挙行される


以来60年、日本宗平協主催の 久保山愛吉墓前祭が今も勤められています
★『核』は「抑止」ではなく「廃絶」へ★核兵器禁止条約への批准を日本政府に要請★愛吉さんすゞさんの育てたバラを全国へ★若い世代に伝えつなげていく継承を★『平和の祈りを行動の波へ』(日本宗平協)★2025被爆80年(広島・長崎)との連動


次期戦闘機

アピール文

1954年3月1日、太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で行ったアメリカによる水爆実験で、焼津を母港とするマグロ漁船第五福竜丸をはじめ、操業していた多くの日本漁船やマーシャル諸島の島民が「死の灰」を浴びました。

1945年の広島・長崎の原爆投下に続き、三度核兵器の被害を被った私たち。日本宗教者平和協議会は、『人類は核兵器と共存できない』『戦争も核兵器もない社会の実現を』と願い、被爆者の方々と共に1964年以来、久保山愛吉さんの墓前祭を開催し、世界に発信を続けて来ました。

2017年に国連で採択され、2021年に発効した核兵器禁止条約は、現在、署名93ヶ国、批准は70ヶ国に達しています。核兵器の開発・実験・製造・備蓄・移譲・使用・威嚇が禁止されたのです。一方で、被爆国日本政府は、「核のない世界」を世界に向けて発信するどころか、アメリカの「核の傘」のもと、核保有維持の「核抑止力」を肯定し、軍備増強予算の投入、「安保関連3文書」による軍拡への道を進めています。

ロシアのウクライナ侵攻は2年を経過、イスラエルによるガザ爆撃の継続は尊いいのちの蹂躙が続いています。私たちの最優先課題は何か。それは、銃の引き金を降ろし、武器を捨て、それらを溶かして平和の鐘に変えることです。『兵戈無用』の具現を図ることです。

国内では、1月の能登半島大地震。犠牲となった方々に心から哀悼の意を表し、未だ避難生活を余儀なくされている人々にお見舞い申し上げます。珠洲に原発を作らせなかったことを大きな教訓とし、全国の原発廃炉への動きを進めましょう。

「私の目の黒い内は、(原発)廃炉は無理。百年を要する。」(故早川篤雄師)、「原水爆の犠牲者は私を最後に」(久保山愛吉さん)、「私たちが生きている間に一発残らず核兵器をなくして」(久保山すゞさん)…そして、声を出す暇もなく倒れ亡くなっていった多くの被災者の願いのバトンは今私たちに渡されています。

愛吉さん、すゞさんが丹精に育てたバラの花が、今各地に株分けされています。焼津から高知へ渡り、静岡へ里帰り、そして第五福竜丸保存の東京から福島宝鏡寺へ…。『戦争も核兵器も原発もない世界へ』の広がりは、3月末の全国高校生平和集会in焼津として若い高校生たちが学びます。

また、本日の報告にあった、第12回ABCP総会・デリー宣言採択に至る経緯の中で、日本センターから修正提言のあった「核兵器禁止・廃絶」の文言の再掲が実現されたことを心から歓迎します。関係各位の尽力に敬意を表します。

被災70年、墓前祭60年の節目を迎え、また、来年2025年の広島・長崎被爆80年に向けて、今を生きる私たちの願いを具体的な行動の波へとつなげていくことを再確認し、本日の宗教者平和運動交流集会、3月1日の墓前祭、ビキニデ―集会、3月11日の福島宝鏡寺「非核の灯」式典、8月の原水爆禁止世界大会成功へと進みましょう。


2024年2月29日 3・1ビキニデ― 日本宗教者平和運動交流集会

 

事務局 静岡市駿河区大谷3920-1 堀内孝三
電話・FAX (054)237-3141
E-mail kouzou@topaz.plala.or.jp