真宗大谷派西敬寺

無量寿仏(むりょうじゅぶつ)

サンスクリット原語は<はかりきれない寿命(をもつ者)>の意。阿弥陀仏名号の一つ。阿弥陀仏について説く経典はきわめて多いが、その中でもとくに重要なのが浄土三部経、とりわけ無量寿経である。それによれば、過去世に世自在王仏(せじざいおうぶつ)が現れたとき一人の国王がその下に出家して法蔵菩薩と名乗り、四十八願を成就して成仏した。これが無量寿仏であり、今も西方の安楽世界(極楽)で説法を行なっている、という。また阿弥陀経(梵本)によれば、阿弥陀仏は寿命が無量なために無量寿仏、光明が無量なために無量光仏とよばれるという。しかし、サンスクリット原典と漢訳本の間には、アミターバー(無量光)とあるところが<無量寿>となっているなどの錯綜がまま見られる。中国人が無量光よりも無量寿という名称のほうを好んだためであると解する学者もいる(岩波仏教辞典)