真宗大谷派西敬寺

五濁(ごじょく)

四劫のうち、住劫の減劫(人の寿命が減少する期間)に起る五つの厄災。劫濁(以下の四濁の起る時代であること。時代の汚れ)、見濁(人々が誤った思想・見解を持つようになること)、煩悩濁(貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)等の煩悩が盛んに起ること)、衆生濁(見濁・煩悩濁の結果として、心身が弱く、苦しみが多くなること)、寿命濁(寿命が次第に短くなり、最低10歳にまでなること)の五つ。五濁の起る時代を五濁悪世といい、末法と重ねて考えられた。なお仮名文学では、これを訓読して五つの濁り深き世に[源氏(蓬生)]などと用いられることもある。五濁の正災は諸仏も滅することあたはず[顕戒論(中)]げにこの五濁悪世には余らせ給ひにける。いかにして仮にも宿らせ給ひけん[狭衣(3)](岩波仏教辞典)

 

〔仏〕四劫(しこう)のうち、住劫の減劫に起こる五つの悪い現象。劫濁(飢饉・悪疫・戦争など時代の汚れ)・衆生濁(身心が衰え苦しみが多くなること)・煩悩濁(愛欲が盛んで争いが多いこと)・見濁(誤った思想や見解がはびこること)・命濁(寿命が10歳まで短くなっていくこと)。いつつのにごり。(広辞苑第六版)